大学入試の学校推薦型選抜と総合型選抜の出願が、秋から始まります。知識偏重ではない授業や入試への転換が叫ばれる中、高校時代の学びや活動の履歴で評価する入試の募集枠は年々広がってきています。こうしたなか、東京大学の推薦入試と京都大学の特色入試で合格者を続々と出している学校はどんな教育をしているのでしょうか。校長に聞く5回シリーズの初回は、渋谷教育学園渋谷中学校・高校です。
渋谷教育学園渋谷中学・高校 高際伊都子校長
本校は、2016年度入試から東京大学が導入した学校推薦型選抜で、毎年合格者を出しています。今年も3人合格しました。
東大の学校推薦型の特徴は、大学の教育の軸に基づいた、アドミッションオフィスによる選抜が機能していることでしょう。海外大と違って専門官ではなく、教授の方々が審査をされていますが、「学部や研究室を活性化させる人材」を求めていることは明確です。
毎年の募集要項に、各学部長のメッセージと各学部の求める学生像が載っていて、日本のトップ大学はこういう人間を求めているのかと、いつも興味深く読んでいます。学部ごとに、推薦要件も、求められる書類・資料も違う。講義を受けてグループで議論させるような学部もあります。
受験した生徒から聞くと、高校側が提出した推薦文もよく読み込んでくださっている印象です。
記事後半では、同校から東大の推薦入試に合格した生徒が取り組んでいたことを紹介します。ある生徒は、動物園のおりの前で……。
本校は毎年、海外大への進学…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル